不透明感の強まる今日、これから先を考えたとき、現在のままキャリアを同じ会社で積み重ねていくことに疑問を抱く方もきっと少なくないでしょう。
転職を考えたとき、より規模の大きな企業で働くのか、ベンチャー企業で働くのか、については誰もが迷うところです。
この選択については、自分の年齢も大きく関わってくるものであり、特に後者を選ぶには勇気がいるかもしれません。
以下では、30代でベンチャー企業の経理、人事、法務に転職する場合の魅力やメリット・デメリットについて紹介していきます。
ベンチャー企業の魅力（経理、人事、法務）
ベンチャー企業の経理として働く最も大きな魅力は、より幅広い実務経験を身に付けられることです。
ベンチャー企業の場合にはどうしてもバックオフィスが手薄となりがちであり、経理機能が十分に構築されていないケースも多いため、自然と任される業務の幅が広がります。
また、タイミング次第では上場に絡む諸手続きを担当できるなど、刺激的な経験をできることも期待できます。
人事としてベンチャー企業で働く場合にも、幅広いスキルを身に付けられるのが魅力となりますが、企業規模が小さいことから、自身の業務が経営に直結していることを肌で感じられるのも魅力です。
従業員の動きと事業の進捗が深く関連している様子を見て、より一層のモチベーション向上にもつながっていきます。
法務職としてベンチャー企業で働く場合には、一から法務の体制づくりに携われることが多いのが魅力です。
顧問弁護士を付けていない場合も少なくないので、法務担当者として問題解決能力の向上も図れます。
30代でスタートアップに転職するメリット
短期間でビジネスの開発に取り組み、その推移を見極めながら早期に解散することも多いスタートアップのベンチャー企業への転職は、30代のキャリアを考える上で十分に選択肢の候補となります。
30代となれば業界によっては採用されづらくなりますが、スタートアップのベンチャー企業はいくつもの試行錯誤を繰り返しているため、常に人材へのニーズがあり、30代でもチャレンジしやすい環境が整っています。
経験できる業務も幅広く、スピードも同時に求められるため、数多くの成功と失敗を体験できることから、短期間にスキルの幅を拡げられます。
また、これらの業務を通じて、マネジメント能力を養えるのもメリットといえます。質もスピードも求められる厳しい状況下、より一層の厳格なマネジメント能力が要求されるため、管理職として必須のスキルを高められる貴重なチャンスとなります。
30代でスタートアップに転職するデメリット
メリットがある一方、デメリットもあります。
まずは年収が下がる可能性がある点が挙げられます。スタートアップのベンチャー企業は企業規模の大きな会社のように十分な経営体力を持っていないケースが多いことから、給与テーブルも低めに設定されているため、歩合のないバックオフィスの給与にその影響が出やすいためです。
また、労働時間が長くなりがちなのもデメリットです。
働き方改革なども叫ばれていますが、十分な人材を確保できていない事情もあって、どうしても無理をしなければならない場面も出てきます。
担う業務の内容が幅広く、量も多くなりがちなので、自ずと多くの時間を仕事に充てなければなりません。
加えて、教育体制が整っていないのもデメリットのように見受けられますが、こういった環境下、業務にフィットしていくからこそ、スキルを高めるための絶好のチャンスであるとも考えられます、
ベンチャー企業に転職後のキャリア
スタートアップのベンチャー企業に就職したからといって、そのすべてが短期間のうちにクローズされてしまうわけではありません。
ビジネスが軌道に乗れば、企業規模が拡大し、上場するケースもあります。つまり、30代でベンチャー企業に就職しても、以降のキャリアをその会社で積み重ねていける可能性は十分にあります。
企業成長によって上場企業となり、業界の大手となり得るのも、ベンチャー企業に転職するからこそ描けるビジョンです。
もちろん、ベンチャー企業で自身のブラッシュアップに励み、より一層の成長を果たしてから大手企業へと再度転職するのもキャリアの選択肢のひとつです。
人材不足が慢性化しており、この先も優秀な人材を獲得しようと各企業が躍起になるだろうことから、ベンチャー企業に転職した後のキャリア選択についても柔軟性ある動きができるでしょう。
まとめ
ベンチャー企業でキャリアを重ねる場合、大手企業で過ごす場合、どちらもそれぞれメリット・デメリットはありますが、もっと自分のスキルを磨きたい、より短期間で成長を図りたい、といった考えを優先させるのであれば、ベンチャー企業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
30代でスキルアップを図るのであれば、短期間でチャレンジできるベンチャー企業は理想的な環境であるといえます。
スタートアップのベンチャー企業の内部事情は外からはなかなか見えづらいので、より多くの情報を集めるためにも、まずは転職エージェントに相談してみるのがおススメです。
30代からのキャリア形成についても相談できるほか、先々の希望に沿ったベンチャー企業の紹介を受けられる可能性もあるなど、転職エージェントの利用によって得られるメリットは多々あります。