年収の嘘は転職先にバレるのか?

年収は転職を希望する大きな理由であり、転職先に現在以上の年収を求めたいと思う方は大勢いらっしゃるでしょう。
転職後の年収は、現在の職場での年収を考慮して決定されるケースが多いので、現在の年収が高いほど転職後の年収にも良い影響を与えるだろうことから、“実際より多めに年収を伝えれば…”と魔が差しそうになるかもしれません。
しかし、年収の嘘は後になってバレてしまいますので、トラブルを避けるためにも最初から正直に伝えるようにしましょう。

年収の嘘はバレる

前職のことはバレないだろうと思い、転職時に年収の嘘をついても基本的にはバレてしまいます。
転職希望先の採用担当者は人事として日頃から様々な情報に触れており、年収についての相場観を持っているので、企業名やキャリアにそぐわない年収を伝えれば、おかしいと思われて詮索されます。
その結果、受け答えにほころびが生じるなどして、年収の嘘がバレてしまいます。
仮に、面接の場をうまくやり過ごしたとしても、転職時には前職の源泉徴収票を提出するのが一般的であり、そこに記載された金額が相違していることを指摘されるでしょう。
前職分については自分で確定申告を行うこともできますが、わざわざ面倒な手続きを自分から希望する人はほとんどいないので、何かしら勘繰られてしまうのが関の山です。
金融や法律関係、警備保安業をはじめ、業界によっては身元調査も行う場合もありますので、嘘を貫くのはとても困難といえます。

年収を正確に把握する

年収のことで嘘を言ってはいけないのはモチロンですが、そのためには自分の年収を正しく把握しておくことが大切です。
年収として伝えるのに適した数字は、源泉徴収票をはじめとする公的な書類に記載された金額です。
そこに645万円と書かれていたなら650万円と伝えてもいいでしょうが、700万円と伝えてしまうと1割近い乖離が生じているため、虚偽の年収を伝えたと判断されかねませんので、四捨五入する範囲もほどほどにしておかなくてはなりません。

自分の年収がいくらであるか、正確に認識できていないことに自分が気付いていないケースもあるので、金額だけでなく構成比にも目を向けるようにしましょう。
残業代を加えて年収としてしまえば多すぎますし、天引きされる分を考慮していない手取り金額で伝えると少なすぎることとなります。
いずれの場合も、自分の給与さえ管理できない人物というレッテルを貼られかねません。

内定取り消しになるのか?

年収を偽って内定が出たものの、源泉徴収票などの提出によって虚偽の年収を伝えたことがバレてしまえば、経歴詐称を行ったとして内定を取り消されても何の文句も言えません。
実際の処分内容はその企業の判断によりますが、内定を取り消されるまでは至らなかったとしても、嘘をついて入社したことが知れ渡れば、その会社にいづらくなってしまうのは言うまでもありません。
新たなキャリアを積み重ねていくための大事な時期に、周囲から後ろ指を指されるようなこととなってしまえば、そのまま働き続けるだけのモチベーションの維持も難しくなるでしょう。
将来に向けて、自分のためのキャリアをしっかり積み重ねていくためにも、年収はできるだけ正確に伝えるべきであり、中長期的な視点で見ても、よりメリットがあるのは嘘をつかないことに他なりません。

必要以上に年収アップを求める転職はダメ

そもそも転職をきっかけに年収をアップさせようとすること自体が難しいといえます。
中途採用を行う企業の多くが、採用者の年収について最高でも現状維持を目安としているためです。
採用する以上、企業側は常に“見込み違いだったら…”というリスクを認識しているため、不確実性のある状況下、雇い入れる新たな人材に高額の提示を行いづらいのです。
また、一度雇い入れた人材を簡単に解雇できないよう法律で規制されていますが、同じく労働条件を労働者にとって不利な内容に一方的に変更することも規制されていますので、見込み違いだったからといって給与を減らすことも難しく、中途採用者に最初から高額を提示することはそれらのリスクを大きくする要因となります。

年収交渉は転職エージェントを利用すると便利

転職エージェントを介して転職活動に取り組んでいけば、企業側との年収の交渉もしやすくなります。
多くの場合、これから就業していこうとする企業の採用担当者を相手にお金のことを口にするのはどうしても気が引けてしまうものですが、あいだに転職エージェントを入れておけば年収交渉も代行してくれますので、主張したいことはしっかりと主張しながら交渉できるようになります。
現在の年収を伝える場合にも、転職エージェントにありのままを伝えておけば、転職希望先に伝える際に上手く調整してくれますし、後々に虚偽の年収を伝えたというトラブルに見舞われる可能性も排除できます。

まとめ

何事においても、基本的に嘘をつくのは良くないことです。お金の絡む内容であれば、自分の信用に直結しますし、これから就業したいと思っている転職希望先であれば尚更です。
転職時により有利な条件を引き出したいと思ったときには、まずは転職エージェントに相談するようにしましょう。
企業との年収交渉を代行してくれますし、自分が希望するだけの年収を得られる先の紹介を受けられる可能性もあるためです。
転職エージェントはきっと、転職時の心強い味方となってくれるでしょう。