会計事務所では企業や個人に代わって経理処理を行ったり、税務申告などを担ったりしており、これまで得てきた専門的知識を活かせるほか、業務を通じて専門性を養うことができます。
この記事では会計事務の経験者、未経験者が会計事務所へと転職する場合の志望動機の作成についてそれぞれご紹介していきますので、会計事務所への転職を検討されているのであれば、今後の参考にしてください。
押さえるべき点を把握するだけでも、より訴求性の高い志望動機を書きやすくなります。
会計事務所に働いたことがある人の場合の志望動機の書き方
会計事務所で働いた経験があれば、ある程度どのような職場であるのかイメージできるため、これまでの実績や経験をアピールしながら志望動機を構成できます。
しかし、注意すべきは、会計事務所はすべて同じ業務を担っているわけではなく、得手・不得手もあるという点です。
法人税を得意としている事務所や、資産税を得意としている事務所といった違いもあれば、会計事務に終始するだけでなくコンサルティング業務に力を入れている事務所もあるなど、それぞれカラーを持っていますので、採用担当者は常に自分の事務所にフィットできるかどうかという視点を持っています。
このため、なぜ志望先の会計事務所への就業を希望しているのか、客観的な訴求力を持った志望動機を書かなくてはなりません。
経験者の場合には、即戦略として採用されるケースもあるため、入社後のビジョンをまとめておくのもおススメです。
未経験者の場合の志望動機
未経験者が会計事務所への転職を志望する場合、採用担当者がまず気にするのは、なぜ会計事務所への転職を希望しているのかという点です。
また、会計事務所ごとに主とする業務に違いがあるので、なぜその志望先の会計事務所に就業したいのかという点も問われます。
前者であれば自分の志望をそのまま答えやすい内容ですが、後者については就業後のビジョンも含めて問われますので、志望先の会計事務所について十分に情報収集しておく必要があります。
これから税理士試験や公認会計士試験を受験する予定であれば、合格後に描いているキャリアビジョンをまとめておくのもおススメです。
志望動機を書く際には、いくら未経験といえど、これまでの経験から活かせる内容をピックアップして含めながら構成していくといいでしょう。
具体的な内容を含めることで志望動機の訴求性が向上すると期待できるためです。
会計事務所の志望動機例
公認会計士や税理士の資格を持っている場合、大手会計事務所から業種特化型会計事務所へと転職する場合や中小会計事務所から大手会計事務所へとキャリアチェンジする場合には、その会計事務所がどのような業務を得意としているのか、これまでの経験をどのように役立てられるのか、その先にどのようなキャリアビジョンを描いているのか、という3点を押さえながら志望動機を構成していくといいでしょう。
企業経理から転職を志望する方、税理士試験に向けて勉強している方、簿記三級などの資格を持っている方、資格を持っていない方の場合には、できるだけ熱意が伝わる文面とします。
“中小企業経営者のパートナーとして寄り添っていくという貴所の理念に共感し、一刻も早く顧客の皆様からの信頼を得られるよう貴所に貢献していきたいと希望しています。”
といった内容を自分なりにアレンジしてみてください。
志望動機の失敗例
志望動機はできるだけポジティブな内容とすべきであり、経験者の場合にはこれまでの就業先についての不満を志望動機に含めないよう注意が必要です。
マイナス方向への考え方は決して悪いものではありませんが、同じ求人へ応募するライバルがポジティブな内容を記述していれば、ネガティブな内容を記した応募書類はどうしても敬遠されがちとなります。
未経験者の場合には、あまり抽象的な表現としないようにする必要があります。
“私は几帳面なので会計事務に向いていると自負しており、貴所の業務に従事しながら一生懸命貢献していきたいと希望しています”
と書いたとしても、具体性ある情報が何一つ含まれていないため、採用担当者の判断に決め手となるポイントを与えられません。
会計事務への適性として取得している資格をアピールしたり、先々のビジョンを具体的に提示したりするなどすれば、より訴求力のある志望動機となります。
志望動機と同じくらい大事な履歴書の書き方とは
書類の作成について細やかな心配りも要求される会計事務所への転職を志望する場合には、履歴書の書く際にもフォーマットを順守しながら丁寧に記載するよう心がけなくてはなりません。
学歴を記入する際には、高校卒業から記載し、以降は入学と卒業を別の行に分けて記入します。
大学については学部・学科・専攻なども記します。
免許・資格については、受験結果がまだ出ていないものがあれば、その内容を記すのも差し支えありません。
税理士試験の科目合格者であれば、その旨を記入します。
志望動機の欄には会計事務所への就業を志す理由、自己PRにはコミュニケーション能力や協調性、仕事や勉強に対する姿勢などをこれまでのキャリアで得てきた経験で裏付けしながら記入していきます。
その他特記すべき事項や備考の欄には、セールスポイントとなりそうな点につき該当する記入欄のないものを記入します。
まとめ
会計事務所の採用担当者は、自所での就業のモチベーションの高い人物を見極めて採用したいと考えているため、志望動機を通じて自分の熱意を伝えるのは転職に成功するためにとても大切なポイントとなります。
採用担当者の心を打つ志望動機を書くためには、志望先の会計事務所がどのような業務を得意としているのか、事前に情報収集しておかなくてはなりません。
情報収集を疎かに済ませ、会計事務所だからと一括りにして志望動機を使い回してしまえば、それぞれカラーの異なる会計事務所の採用担当者にはすぐに使い回しであるとバレてしまいます。
志望動機をブラッシュアップするためには、転職エージェントに相談してみるのもひとつの方法です。
士業への転職に強いエージェントであれば、きっと的確なアドバイスをしてくれますので、より精度の高い志望動機を書きやすくなります。