管理部門である経理は次から次へと押し寄せてくる事務処理をこなしていかなくてはならないため、常にペースを意識しながら処理が溜まってしまわないように留意しなければなりません。
以下では一般的な経理の勤務時間や休日および残業状況などを振り返るとともに、事務処理のスピードが速い経理担当者に見られる共通点、より効率的に処理を済ませてしまうための工夫などをご紹介していきますので、今後の業務のための参考にしてください。
経理の勤務時間や休日は?残業はどのくらい?残業代は出る?
多くの企業において、月曜日から金曜日までの週5日勤務、1日8時間労働という一般的な勤務時間、休日の設定としています。
しかし、経理は月次業務を取りまとめる月末や、年次業務を取りまとめる決算期にはどうしても残業が生じてしまいやすくなります。
残業時間は通常期には40~60時間、繁忙期には100時間ほどという声もネット上には見られますが、実際にはそれほどでもありません。
より働きやすい環境を社会が求めている状況下、残業をさせないよう打ち出している企業も少なくありません。
同様にコンプライアンス的に残業代を支払わないということもできなくなっているため、残業分はしっかり支給されると思っておいて差し支えないでしょう。
これらはあくまで一般論なので、求人への応募を考えているような先があるのであれば、転職エージェントを活用するなどして事前にチェックしておくことをおススメします。
事務処理が速い経理人材の特徴3つ
繁忙度合いに関わらず、事務処理の速い人、そうでない人に分かれるのが経理の特徴ですが、事務処理の速い人には3つの共通点があります。
まず一つ目はデスク上の整理整頓が行き届いている点です。
きっと、これまで机の上で探し物をした経験があるかと思いますが、それを省くだけで事務処理にかける時間にロスが出なくなるため、処理速度を向上させることができます。
次に挙げられるのは、仕事のパターンを覚えている点です。
経験があればスピーディーな処理につながっていきますが、速さばかりを意識するのではなく、正確さについても留意しなければなりません。
誤った処理は二度手間となるので、より多くの時間をロスすることとなります。
そして、最後に挙げられるのが、仕事内容の全体像を理解しているという点です。
全体的なフローを念頭に置いておくことで、不必要な処理を避け、二度手間も防ぐことができるようになります。
残業を減らし、効率的な事務処理をする5つの方法
より効率的に事務処理を進めるには、これからご紹介する5つの方法を試してみるのがおススメです。
まずは無駄な事務作業をやめることから始めます。
主観だけで無駄かどうか判断するのは正確さに欠けますので、まずは作業をリストアップして確認するようにしましょう。
次に、似ている仕事はまとめて行うようにします。
何度も同じファイルを開き直して集計するよりは、同じファイルから読み取れる情報を同時に集計するほうがよりスピード感が増します。
このためにも、仕事の全体像を事前に把握するように努めましょう。
加えて、事務作業の順番を変更してみるのもおススメです。
仕事のフローは人それぞれやりやすさがあるため、前任者から引き継ぎを受けたままやっているだけでは非効率な場合もあります。
4つ目の方法は、優先順位を明確にすることです。
これを行うだけでイレギュラーな対応が大きく減少します。
最後に、目標を決めて業務に取り組む方法が挙げられます。
例えば、“今日は定時で退社する!”という目標のもとで業務に取り組むと、常に時間を意識して業務をこなすことができます。
残業しないために日々の作業内容を工夫しよう!
上でご紹介した5つの方法以外にも、事務処理をよりスピーディーにこなすことのできる工夫は多々あります。
例えば、パソコン操作が得意な人にはパソコンを駆使した業務を、そうでない人には手作業による業務を多く割り振るように、チームとしての機能性を向上させられるように意識するだけでも全体としての業務処理のスピードは大きく変わってきます。
いかに業務を効率化できるか常に意識しながら、浮き彫りになった改善点をしっかりケアしていくことで、ノー残業デーはこれまで以上に多くなるでしょう。
残業をなくすことは会社のためでもあるから評価される
近年、会社側は残業させたくても残業させづらい状況となっています。
ワークライフバランスや働き方改革の提唱に見られるよう、労働者の就業時間とプライベートの区分けを明確に、労働者側に有利なものとするような風潮となっていますので、残業代を支払えば残業させていいというものでもなくなってきています。
だからこそ、残業しないよう事務処理を終えられる人材は評価されますし、組織全体として残業が不必要となるような仕組みづくりに成功すれば、より大きな評価を得られるのはいうまでもありません。
事務処理には月次業務と年次業務があり、それぞれいくらかルーティン化していますので、それらの処理状況を見直すことでより効率的な経理機能を自社へと提供することができるようになるでしょう。
会社側、労働者ともにメリットある仕組みづくりにこれから取り組んでみてはいかがでしょうか。