会計事務所に転職したい…年収はどう変化するのか？

税理士資格の取得をご自身のキャリアプランに組み込み、試験合格までの長い勉強時間を、別の職に就きながら進めている方も多いでしょう。
そういった税理士志望の方にとって、自身の将来像を身近に感じられる会計事務所への就職は興味を惹かれるものでしょう。
日々の仕事を通じて得られる知識は資格取得のための知識にも通じていくものが多いため、資格取得の優位性も期待できます。
本記事では会計事務所に務めた場合のメリット、年収などを解説していきます。

会計事務所に転職したときの年収はどのくらい？

まず、転職する上で知っておきたいのは、会計事務所で働いた場合の年収の目安でしょう。下記が会計事務所スタッフの平均的な年収データです。

額面からすると決して好待遇とは言えないかもしれませんが、会計事務所の年収は資格の有無によって上乗せされますので、上記の年収目安には反映されていない部分も存在します。
例えば税理士志望であれば、科目合格していることで数十万円～100万円程度が上乗せされるケースもあり、まったくの未経験でも3科目合格していた税理士志望の方が350万円程度で採用された事例もあります。

会計事務所に転職するメリットは？

年収面での優劣は現在の仕事との比較になるため一概には言えませんが、会計事務所に転職するメリットとして下記の点が挙げられます。

会計業務のスキルアップ

会計事務所の業務は主にコンサルティング業務と事務処理業務に分けられ、クライアントの記帳代行をはじめとする事務処理業務はほぼ全員が担当しますので、自然と会計業務に関するスキルを身に付けていくことができます。
税理士資格取得に向けた学習はテキストと机上で向き合いながら進めていくこともできますが、実務を通じて得られた具体的なイメージと照らし合わせながら勉強していくことで、より効率の良い学習を実現しやすくなります。

会計事務所の人脈が作れる

会計事務所には皆さまと同じく資格取得に向けた勉強に励んでいる方も多くいますので、同じ志を持つ人々と出会えることが期待できます。
黙々と資格取得に向けて勉強しなければならない状況下、なかなか思い通りに勉強が進まないこともありますが、そういったときに会計事務所で出会った同じ目的を持つ方とコミュニケーションを交わすことでモチベーションの維持・向上を図りやすくなります。
また、資格取得して活躍している公認会計士や税理士の姿を直接見られるのもモチベーション材料となります。

税理士として必要な実務経験が積める

税理士になるには試験に合格するだけでなく、2年以上の実務経験が必要です。
「租税に関する事務または会計に関する事務」を経験できる会計事務所で実務経験を積んでおけば、試験に合格してからすぐに資格取得が可能となります。

会計事務所への志望動機を書く3つのポイント

会計事務所の求人に応募する際には志望動機を書く必要があります。特に押さえておくべきは3点を以下にご紹介します。

なぜ会計事務所で働きたいのか

会計事務所は長く活躍してくれる人材を求めており、応募者がどれほどの熱意を持って選考に参加しているのかを重視しています。
なぜ会計業界を選び、どうしてその会計事務所に応募したのか、志望動機に含めるようにすると好印象を抱かせやすくなります。
その会計事務所のホームページをチェックするなどして、事前に特色を把握するようにすると精度の高いアピールをしやすくなります。

どういった将来像を持っているのか

会計事務所にとって長く働いてもらうためには、応募者本人の自己実現も大切なポイントなので、その会計事務所に勤務してどのような目標を成し遂げたいのかも志望動機に含めます。
将来像を伝えることで、会計事務所もその応募者を採用することで将来どのようなメリットを期待できるのか把握しやすくなります。

自分の強みはどこか

採用する側にとって、その応募者を採用することでどのようなメリットを得られるのか、はとても大切なポイントとなりますので、志望動機には自分の強みも明記します。
資格を持っていない場合でも、努力家である、英語力に自信がある、など会計業務と直接関係ない資質も強みとしてアピールできます。

未経験者、税理士科目合格者、税理士資格取得者、それぞれにおける志望動機の例文をご紹介します。

未経験者の志望動機例文

貴事務所のHPを拝見し、経営理念として「中小企業経営者の経営パートナーとして貢献すること」をあげておられるのに強く共感いたしました。
私は、前職において住宅設備の営業職として4年間勤務いたしました。
ここで、個人事業主の方々が、節税対策や資金繰りについてどれほど強い関心をもっているかを学んだことが、私の宝となっています。
私の目標は、節税対策や資金繰りの専門家になることです。
前職での経験を生かし、顧客の皆様に信頼される存在になることで貴事務所に貢献したいと思っております。

税理士科目合格者の志望動機例文

貴事務所のHPを拝見し、相続税の申告などの資産税に力を入れていらっしゃることに共感いたしました。
私は大学を卒業した後、派遣社員として事務職を経験するかたわら、税理士試験を計画的に受験しております。
簿記論と財務諸表論の2科目にはすでに合格し、法人税法と相続税法の2科目を今年受験することに向け、税法の勉強をしております。
税法の知識を生かし、貴事務所の戦力として1日も早く貢献できるよう、研鑽を積みたいと思っております。

税理士の志望動機例文

貴事務所は国内の税務業務だけでなく、国際税務などの業務に力を入れていることに強い魅力を感じました。
企業のグローバル化が進む中、国際的な税務業務への習熟は税務のスペシャリストとして必須であると考えていました。
私は学生時代から英語力に自信があり、現在も研鑽を続けています。
貴事務所ではこの英語力を活かし、他事務所では担当できない国際税務などの領域の業務で貢献したいと考えております。

まとめ

税理士資格の取得を目指そうとする方にとって、資格取得後のビジョンを鮮明に持つことのできる会計事務所で働くのは、資格取得に向けたモチベーション材料を得られたり、業務を通じて合格に必要な知識を得られたり、といったメリットも期待できます。
しかし、その会計事務所がどのような特色を持っており、自分がどのような業務を担うのか、などを事前に調べておかなくてはなりません。
残業が多かったり、休日が少なかったりすると、資格取得のための勉強も疎かになってしまうリスクがあるためです。
これらの情報を得るには、その会計事務所の内部に精通している転職エージェントを活用するのがおススメです。
転職後のミスマッチも避けやすくなるので、是非この機会に登録してみてはいかがでしょうか。