社労士試験の難易度はなぜ高い?合格率は〇%?

社会保険労務士は労働関係法令について専門的な知識を有していることの証となる国家資格です。
社会保険労務士を取得している場合、社会保険・労働関係の法律に関わる書類作成や給与計算など幅広い業務を任せられることから、採用を検討する企業にとって魅力的な人材として評価されやすくなります。
この記事では、資格取得のための社労士試験について取り上げるとともに、試験に合格した後のキャリアについてもご紹介していきます。

社労士試験の難易度と合格率

社労士試験は毎年4万人ほどが受験している人気の試験であり、合格率は5%前後で推移しています。
社労士試験の難易度が高い理由として挙げられるのが、試験範囲の広さです。
試験科目は8科目(労働基準法及び労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法)あり、それぞれの科目について合格基準点が設けられているため、いずれかを捨てることもできません。
試験方式についても、択一式と選択式の2つのパターンに対応しなければならず、どちらか一方を落としてしまえば試験に合格できません。
また、社労士試験で問われる法律の内容は、毎年のように法改正されているので、常に最新の知識にアップデートしないといけないのも、社労士試験の難易度が高い理由のひとつです。

社労士合格までに必要な勉強時間

社労士試験に合格するために必要な勉強時間の目安は1000時間とされています。
1日3時間勉強すると仮定しても1年近くかかる計算となること、1日に3時間の勉強時間をしっかりと確保するのもそう簡単ではないことを加味すると、社労士試験を突破するのがいかに難しいかわかりやすくなります。
このため、社労士試験の平均受験回数は4回前後といわれています。
もちろん個人差も生じますが、8科目をすべてマスターした状況で試験に臨まなくてはならない点を考えると、いかに効率の良い学習を進めていくかが大きなポイントとなります。
以上より、合格を狙うには少なくとも社労士試験の1年前から勉強しなければなりません。
社労士試験は毎年8月の第4日曜日に実施されているため、9月より前から翌年度に向けた受験勉強をスタートさせれば、勉強時間の目安をクリアしやすくなります。

社労士試験の勉強法

スクールに通う方法もありますが、独学で社労士試験に挑む場合には、勉強スケジュールを事前に明確にしておくのがおススメです。
基礎を身につける期間、応用力を習得する期間、総まとめを行う期間、それぞれに分けた場合、9月から1月までの5ヶ月間は基礎を、2月から6月までは応用力を、7月と8月で総まとめと直前対策をスケジュールのアウトラインとします。
そして、1カ月あたりの勉強量、1週間あたりの勉強量を落とし込み、1日あたりの学習の目安を立てていくと、社労士試験本番までの計画性ある学習がしやすくなります。

自分に合ったテキスト選びも重要なポイントとなりますが、それ以上に、選んだ1冊をしっかりとやり抜くことのほうがずっと大切です。
特に、基礎を身につけるための期間は、その後のスケジュールに大きな影響を及ぼすため、より一層の気合を入れて勉強に臨む必要があります。

社労士試験合格後のキャリア

社労士試験に合格し社会保険労務士となれば、バックオフィス業務の広い範囲をカバーできるため、キャリアの選択肢も幅広くなります。
一般企業で働くのであれば、人事や経理、総務といった部署で専門知識を活かせます。
資格を持っていなくても実務経験を積めば対応できる業務も多くありますが、法改正があったときの対応などは社会保険労務士がいたほうがスムーズに処理できるためです。
一般企業のなかでも経営コンサルティング会社であれば、クライアント企業に向けた人事や労務のアドバイスを担う場合もあります。
より資格の強みを活かすのであれば、社労士事務所や税理士事務所で働く選択肢もあります。
特に税理士事務所では、社会保険労務士が在籍していれば、税金・労務・社会保険に関するサービスをワンストップでクライアントに提供できるようになるため、ダブルライセンスを目指そうとする事務所も少なくないほど、社会保険労務士に着目しています。

まとめ

社労士試験を突破するには1000時間近い学習を積み重ねて8教科をマスターしなければならないので、かなり険しい道となりますが、社労士試験に合格して社会保険労務士になれば、キャリアの幅がグッと広がるのでチャレンジしてみる価値は十分にあります。
もしも資格取得後のキャリアについて、もっと詳しく知りたいとお考えの場合には、転職エージェントに相談してみるのがおススメです。
バックオフィスに強い転職エージェントであれば、社会保険労務士の資格取得者のキャリアについて多様な事例を取り扱ってきているので、それらの経験をもとにしたアドバイスを得られます。
社労士試験合格後のビジョンが明確なものとなるので、合格に向けた勉強のためのモチベーション向上にもつながると期待できます。

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