社会保険労務士になるには?

社会保険労務士になるには、社労士試験を突破する必要があります。
社労士試験は全部で8科目それぞれに合格基準点が設けられており、勉強範囲が広いため合格は簡単ではありませんが、試験に突破して社会保険労務士となればキャリアの選択肢が豊富になるため、とても魅力的な試験です。
この記事では、社会保険労務士になるまでと、社会保険労務士になってからのキャリアプランについてご紹介していきますので、今後の参考にしてみてください。

社労士になるには

社会保険労務士になるために受験する社労士試験には受験資格が設けられています。
年齢上限はありませんが、「学歴」、「実務経験」、「国家試験合格」のいずれかを満たせば受験できます。

学歴については、4年制大学を卒業している場合、短大や5年制の高等専門学校を卒業した方であれば受験資格の要件を満たしています。
高卒や中卒の場合には、3年以上の実務経験または国家資格の取得によって受験資格を得られます。
実務経験については、あらかじめ定められた内容の実務経験であることが必要であり、所定の実務経験証明書を提出することで受験資格が認められます。
国家資格については、行政書士試験合格者をはじめ、厚生労働大臣の定めた79の国家資格のいずれかを取得している必要があります。

受験資格を得て、社労士試験に突破するための勉強時間の目安は1000時間前後と言われています。

社労士試験に合格するためには

社労士試験に合格するための勉強方法には大きく3つの方法があります。
まず一つ目は独学です。
国家資格である社労士試験に関するテキストや参考書は豊富にありますので、それらから自分に合ったものを選んで学習を進めていきます。
独学で社労士試験にチャレンジする場合に留意する点は、いかに計画立った学習を継続していくことができるかです。
社労士試験は8科目すべてで合格基準点を上回らなくてはいけませんので、学習範囲が広範かつ深い理解を要求されます。
社労士試験突破に必要とされる学習時間の目安1000時間を割り振りながら、およそ試験日の1年前くらいからスケジュールを立てて効率的な学習に取り組んでいくのがおススメです。

独学以外には、通信講座を受講したり、専門学校へ通ったりする方法があります。いずれも学習スケジュールを社労士試験に精通した専門家が組み立ててくれているので、受け身でも計画的な学習をできるのがメリットといえます。

合格後は実務経験か事務指定講習が必要

社労士試験に突破すれば、すぐに社会保険労務士になれるわけではありません。
試験合格後、社労士登録を行う必要があります。
社労士登録には実務経験に関わる要件が設けられており、それをクリアしなければなりません。
社労士の登録要件を満たす実務経験は「労働社会保険諸法令に関する2年間の業務経験」とされており、具体的には雇用保険・健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届・喪失届や労働保険の概算・確定保険料の申告・納付、36協定届、労働者名簿などに従事した経験とされています。
これらは必ず誰もが積める経験でもないため、実務経験がなくても社労士登録できる方法も用意されています。
実務経験がない場合には、社労士会連合会が行う労働社会保険諸法令関係事務指定講習を受けることによって、登録要件を満たすことができるものとされています。

社労士が活躍する場所

広範な学習範囲をマスターした社会保険労務士の活躍の場は様々です。

まず、一般企業で働くケースがあります。
総務部や人事部で専門知識を活かしながら、給料や健康保険料の計算や、福利厚生に関する業務に携わります。
外部の社労士に委託するコストを軽減できるため、企業にとって社内の社労士は重宝すべき存在として映ります。
また、コンサルティング会社で働く場合には、クライアントとなる他社に向けた人事・労務についてのアドバイスを行うなどの業務に従事します。
資格を活かして社会保険労務士事務所や税理士事務所、法律事務所で働くこともできます。
クライアントからの相談に乗り、改善に向けたアドバイスを行うなどの業務を担います。独立開業もキャリアの選択肢のひとつです。
社労士登録時に開業登録を行えば、独立して自分の社会保険労務士事務所を設立することもできます。

まとめ

社会保険労務士になるには、いくつものハードルを越えていかなくてはなりませんが、社労士試験に合格し、社労士登録を行えば、社会保険労務士として幅広いキャリア選択が可能となります。
しかし、選択肢が多いからこそ、どのようなキャリアプランを選択すべきか迷ってしまうものです。
そのようなときは転職エージェントに相談してみるのがおススメです。
社会保険労務士となった人たちがどのようなキャリアを歩んでいるのか豊富な情報を持っているためです。
例えば、税理士事務所で社会保険労務士として働いているケースや、社労士登録せずに一般企業で働いているケースなども知ることができるので、きっとその後の参考になるはずです。
状況によっては、転職エージェントが担当している社会保険労務士を求めている優良企業の紹介を受けられるかもしれないのも、相談をおススメする理由のひとつです。