法律事務所では弁護士・パラリーガルや秘書、経理・総務などの事務スタッフが働いていますが、この記事では弁護士資格保有者向けに、法律事務所に転職する際のポイントをご紹介していきます。
法律事務所で弁護士がどのような業務を行っているのか、どれほどの年収を期待できるのか、応募書類に記載する志望動機について押さえておくべきポイントや、面接対策として知っておきたいことなども取り上げていきますので、是非今後の参考にしてください。
法律事務所で働く弁護士の仕事内容
弁護士はクライアントから依頼される法律トラブルについて、それを解決へと導くためのサポートを行います。
当事者の代理人として法律トラブルの相手方と折衝したり、裁判に関する書類を作成したり、法廷に立ったり、といった多様な業務を担います。
法律事務所にはいくつか種類があり、一般的な民事・刑事に関する案件をメインに取り扱っている法律事務所、企業法務を専門にしている法律事務所、特定業務のみに特化している法律事務所などがあるため、担当する案件の性質は法律事務所によって異なってきます。
法律事務所で働く弁護士の年収相場とは
令和3年に厚生労働省が実施した賃金構造基本統計調査によると、弁護士の平均年収は945万3,600円となっています。
国税庁による民間給与実態調査では、日本の平均年収は436万円となっているため、法律事務所で働く弁護士は一般的な給与の２倍以上と高額です。
平均値の場合、法律事務所経営者やパートナー弁護士など一部の高額所得者が引き上げてしまっている場合も考えられますので、中央値もご紹介します。
2021年に日本弁護士連合会が実施した弁護士実勢調査（弁護士センサス）によると、所得の中央値は700万円となっています。
法律事務所に転職する際の志望動機の例文・ポイント
志望動機を書くときに押さえておくべきポイントは以下の3つです。
・その法律事務所でなくてはならない理由
・具体性を持たせた内容であるかどうか
・自己PRや他の質問への回答との間に一貫性はあるか
例文
民事・刑事ともに個人から企業まで幅広いクライアントからの業務を取り扱っており、地域社会および業界内からも高く評価されている点に魅力を感じ応募いたしました。
私は弁護士として地域貢献に取り組んでいきたいと考えており、専門性を高めながら幅広い分野の業務経験も積んでいきたいと思います。
貴所では特に家事事件に力を入れておりますが、私もこれまで離婚や相続に関する事件を多数取り扱ってきました。それらの経験を活かしつつ、貴所の発展に貢献していきたいと思います。
法律事務所に転職する際の志望動機のNG事例
以下のような志望動機は法律事務所に転職する際には避けるべきなので、NG事例として参考にしてください。
その法律事務所でなくてもいい、具体的内容が盛り込まれていない、自分のことしか考えていない、と受け取られるような志望動機になっています。
ＮＧ事例
貴所を志望したのは、独立に向けた準備も兼ねてワークライフバランスを取りながら働けると思ったためです。
業務を通じてクライアントとのつながりを強化しつつコミュニティを拡大し、将来につなげていきたいと考えています。
入所させていただいた後は、様々なことを吸収しながら日々の業務に勤しんでいきたいと考えています。
法律事務所に転職する際の面接対策
法律事務所に転職する際の面接対策としてまず行っておくべきは、その法律事務所がどのような案件をメインに取り扱っているのか調べ、自分のスキルや経験をどのように活かせるのか擦り合わせることです。
なぜなら、応募先の特徴によって面接時の受け答えが異なってくるからです。
特徴を的確に把握するには説明会に参加したり、事務所訪問したりするのが効果的であり、面接時の受け答えにも活かせる情報を得られます。
また、面接時によく聞かれる以下の項目については前もって回答を用意しておくと便利です。
・転職理由
・これまでの実務経験内容
・将来のキャリアプラン
・その事務所でなければならない理由
・志望動機および自己PR
・希望年収
法律事務所の面接時に用意しておくべき質問内容
面接では“何か質問はありますか？”と聞かれることがほとんどですが、弁護士が法律事務所に転職しようとする際には、この投げかけに対する質問がとても重要な役割を果たします。
クライアントとのやり取りや訴訟などの弁護士業務では誰かに質問することが多く、質問力がとても大切になるため、採用担当者も質問力の有無を注意深く観察しています。
質問の鉄則は、事前にわかることは聞かない、という点です。
それ以外の内容であれば、やる気や入所意欲のアピールにつながりそうな質問をいくつか用意しておくと面接がよりズムースになりやすくなります。
法律事務所での転職で弁護士資格以外にアピールすべきポイント
弁護士資格以外にアピールできる材料があれば、選考を優位に進めやすくなります。
例えば、前職で得た実績やスキルは大きなアピール材料になります。
それらが応募先の事務所の業務に親和性の高いものであれば、内定にグッと近付くことができます。
法律事務所は専門性だけでなく多様性も求めているため、弁理士や税理士などの資格を取得していれば、それらもしっかりアピールできます。
面接ではコミュニケーション能力もチェックされますので、アピールの際には的を射た内容として伝えるようにします。
法律事務所に転職したい場合はエージェントを活用しよう！
法律事務所への転職をご希望の場合には、転職エージェントの活用がおススメです。
転職エージェントはクライアント先となる法律事務所の内部事情に精通しているため、その事務所の特徴や入所してからどのようなキャリアを重ねられるのか、などについて精度の高い情報を得ることができます。
転職エージェントを活用するデメリットとしては、直接応募に比べて時間を要することが挙げられますが、後々のミスマッチを避けられるという点だけ考えても、メリットのほうがずっと上回るといえます。
一言で転職エージェントと言っても、それぞれのエージェントは得意としている分野があるので、弁護士として法律事務所に転職するのであれば、弁護士の転職サポートを得意としているエージェントを選ぶ必要があります。
それらのエージェントを選ぶことで、それぞれにピッタリの法律事務所を見つけやすいほか、弁護士の転職サポートを専門にしているキャリアアドバイザーによる応募書類の添削や面接対策、求人案件の紹介など、手厚いサポートを受けられます。
紹介を受けられる求人にはハローワークや転職サイトなどにも掲載されていない非公開求人も含まれています。
非公開求人は高待遇であることが多いので、気になる方は利用登録してみてはいかがでしょうか。
まとめ
自分にピッタリの法律事務所へと転職するには、まず情報収集がカギとなります。
法律事務所がどのような特色を持っているのか把握し、そこで求められる役割やスキルに自分が合致するかどうか計りながら、応募書類の作成や面接対策に取り組んでいかなくてはなりません。
これらを自力だけで進めていくのはかなりの労力と時間を割かれてしまうため、弁護士として働きながら転職先を探すのはなかなか難しいかもしれません。
そのようなときに便利なのが士業の転職に特化したエージェントの活用です。
弁護士の転職支援実績を豊富に持つエージェントなので、効率的な転職活動を実現しやすくなります。
手厚い転職サポートを完全無料で受けられますので、是非この機会に利用登録してみてください。