公認内部監査人とは!?内部監査に転職する上で有利なのか?

目標とするキャリアをイメージしたとき、幹部職や役員となるための登竜門ともいえる内部監査職を志望する方にとって、きっと魅力的に映るだろう資格が公認内部監査人(CIA)です。
以下では、公認内部監査人がどのような資格であるのかご紹介するとともに、同資格の試験概要や難易度、取得することでどのようなキャリアの選択肢が増えるのかなどを取り上げていきます。
企業内公認会計士・税理士の方にとっては特に魅力的な資格なので、今後の参考にしてみてください。

公認内部監査人(CIA)とは

グローバル化に伴い、企業経営を取り巻く環境が変化を繰り返す今日、内部監査はより重要なものとなり、その監査を行う監査人には確かな能力が要求されるようになりました。
公認内部監査人とは内部監査を行う監査人の能力を証明する国際資格であり、1974年にアメリカで誕生した資格です。
現在もアメリカに本部が置かれており、世界のおよそ160カ国において、18の言語で認定試験が行われています。
日本でも1999年から日本語での試験が実施開始されており、それまで17人しかいなかった資格取得者の数は10000人ほどまで増加しています。
公認内部監査人は資格を取得するだけでなく、その資格を維持するために知識や技能を最新のものにアップデートしなければならず、継続的専門能力開発制度と呼ばれるスキルアップ制度が設けられています。

公認内部監査人(CIA)のキャリアパス

公認内部監査人の資格だけを持っていても、あまり評価される事例は見られません。
公認内部監査人を求めているのは、監査法人、会計事務所、企業の内部監査部門、コンサルティング会社などであるため、もともとの専門性を持っており、更なるキャリアアップを目的に公認内部監査人の資格を取得しているケースが多いためです。
例えば、公認会計士、税理士の資格取得者がよりキャリアを高めようと資格取得に取り組むケースが挙げられます。
特に公認会計士を取得している場合には、公認内部監査人の資格取得のために勉強する内容が監査実務と類似していることもあり、比較的簡単に合格しやすいといえます。
企業内会計士・税理士としての活躍を考える場合には、外資系企業への就職を視野に入れるのがおススメです。
外資系企業では公認内部監査人の資格取得を優遇条件としているケースも見られるのが理由です。

公認内部監査人の仕事内容

公認内部監査人の仕事内容は内部監査です。
取締役や従業員が不正を行っていないかどうか、コンプライアンスを順守しながら業務にあたっているかどうかのチェックを行います。
あらかじめ定められたチェック項目に沿った監視を行いつつ、経営者に助言し、必要に応じてチェック項目の見直しも担います。
従来、日本では内部監査を担うのは経営者または経営者にごく近い人物である場合が多く、内部監査という機能が経営者の裁量と独立したものではなかったため、その透明性が確保しづらい状況にありました。
その結果、不正会計が相次いで発覚したのをきっかけに、内部統制が声高に求められるようになり、コンプライアンスが重視される今日に至っています。
こういった時代のニーズに沿うように、公認内部監査人は独立性を保ちながら、専門的な知識を活かし、内部監査業務に従事します。

公認内部監査人の試験概要・難易度

公認内部監査人の試験は内部監査の基礎、内部監査の実務、内部監査に関連する知識の3つのパートで構成されています。
それぞれのパートには250点が割り当てられており、得た点数を750ポイント換算し、600ポイント以上で合格となります。
一度ですべてのパートを受験する必要はなく、各パートずつでも受験可能となっており、パート合格の有効期間は最初の受験登録から4年以内となっています。
受験するには4年生大学を卒業していること、そうでなければ規定の実務経験を2年以上有していること、などといった資格を満たしている必要があります。
合格率は各パート35~40%ほどと高めであり、すべてのパートの合格率は10~15%となっています。
内容が専門的であるにも関わらず合格率が高めな理由として、公認会計士や税理士などもともと専門知識を持った人たちが受験している点が挙げられます。

まとめ

内部監査を担う人材としてキャリアアップを図るために公認内部監査人を取得しておけば、よりキャリアの選択肢が広がります。
特に企業内公認会計士・税理士の方であれば、公認内部監査人資格取得を優遇条件としている外資系企業や大手企業に転職するなど、キャリアアップのビジョンがより鮮明になるでしょう。
また、国際資格であるという点も、公認内部監査人の魅力です。
グローバル化がより進展するとともに、世界基準の資格である公認内部監査人の取得者は、より高い評価を得られるようになると考えられます。
資格取得の難易度もさほど高くないので、この機会に取得を検討してみてはいかがでしょうか。

資格取得者が実際にどのようなキャリアを重ねているのか知りたい場合には、転職エージェントに質問してみるのがおススメです。
外部からでは見えづらいので、多数の事例を見てきている転職エージェントに頼ることで精度の高い情報が得られるようになるためです。