人事としてキャリアアップするために必要なスキルとは

人事担当者は多くの場合、採用業務・労務管理・教育研修・人事制度の構築といった業務に従事します。
人事としてキャリアをスタートしたとき、採用業務か労務管理のいずれかに従事することが主ですが、それぞれで要求されるスキルは異なっています。
人事業務は数字に表しづらいこともあり、キャリアアップを考えるならば、業務に必要となるスキルを絞り込んでいかなければなりません。
この記事では、人事としてキャリアアップを図る際に必要なスキルについて取り上げていきます。

人事の仕事別スキルマップ

採用を担当する場合には、労働基準法、雇用対策法、男女雇用機会均等法、職業安定法など採用に関連する法知識と正しく面接を行うためのノウハウが必須です。
人材ニーズのある部署の担当者と折衝を重ね、採用後の配属予定などを決めるための調整力も要求されますし、内定辞退を防ぐためのフォローを繰り返す繊細さも必要なスキルです。
採用からキャリアアップするには、採用担当の経験者だからこそ培うことのできる、ヒトを見極める能力が評価されます。

労務管理を担うときにも労働法を中心とする関連法の知識が欠かせませんが、社会保険についての知識や事務手続きのスキルも求められます。
業務を通じて従業員とやり取りを交わす必要があるためコミュニケーション能力も必要ですし、知り得た個人情報を口外しない口の堅さも必須です。
労務管理担当者としてキャリアアップするには、専門知識の豊富さと業務の正確性が評価されます。

人事のキャリアアップにある評価される資格とは

人事担当者としてキャリアアップするためにもっとも評価されやすい資格とされているのが社会保険労務士です。
労働や社会保険の専門家である社会保険労務士は6~8%ほどの合格率の試験に合格しなければならず、資格取得が専門的な知識を幅広く身に付けている証となるため、労務管理を中心に人事業務での活躍が期待できると評価されます。
キャリアコンサルタント、メンタルヘルスマネジメント検定は社会保険労務士ほど難関資格ではありませんが、人事業務に活きる資格です。
キャリアコンサルタントは従業員のキャリアプランについて相談に乗ったり、アドバイスを行ったりするための国家資格であり、合格率は50%ほどです。メンタルヘルスマネジメント検定はストレス社会である今日、注目されている資格であり、従業員の心のケアを行うための専門知識を身につけます。

市場に求められるスキルを確認するためには世の中の求人を確認しよう

人事業務には採用、労務管理以外にも、教育研修・人事制度の構築があり、キャリアアップを考えるにあたっては、より幅広い視点から求められるスキルを絞り込んでいかなくてはなりません。
業務が広範であり、それらに従事するために求められるスキルも様々、関連資格も多々ある状況下、自分が目指すキャリアを実現するために何が必要なのかを把握することは、その目標までの最短距離を探る上でも大切なポイントとなります。
スキルの絞り込みを行うためには、世の中の求人をチェックしてどのようなスキルが求められているのか確認するのがおススメの手法です。企業規模、従事したい職種など、自分のこだわりたい条件に沿っていくつもの求人に目を通しながら、そこに記載されている必要となる経験や資格などをチェックし、自分の持っているスキルとすり合わせていけば、進むべき方向も見えやすくなります。

求められるスキルがわかれば、スキルチェックシートを作成して管理しよう。

目指すキャリアに近い求人に目を通しながら絞り込んだスキルはそのまま頭の中に置いておかず、スキルチェックシートを作成して管理します。
スキルチェックシートの活用によって、自分がキャリアアップのために武器とできるスキル、克服しなくてはならないスキルが明確になりますので、将来を考える上での大きな参考材料となります。
自分でフォーマットを作成するのが難しいようであれば、厚生労働省のホームページで職業能力評価シートなどを無料ダウンロードできますので、それらを用いるのがおススメです。
もしも、作成したスキルチェックシートについて自己分析が難しいような場合には、転職エージェントに相談してみるのもおススメの方法です。
転職エージェントは人事業務に精通しているため、的確なアドバイスによって自己分析をサポートしてくれるからです。

まとめ

人事のスペシャリストとしてキャリアアップを実現させるための近道は、幅広い人事業務のうち、自分が目指すキャリアにおいてどのようなスキルが必要とされているのかを見極めることです。
キャリアアップのために評価されやすい資格の取得に向けた努力も並行すると、よりスピーディーに目標を達成できる確率が高まります。
スキルチェックシートを活用しながらスキルの棚卸をしてみたものの自己分析が難しいと感じるようであれば、転職エージェントに相談するのがおススメです。
転職エージェント自身が人事担当者同然なのですから、受けられるアドバイスの精度が高く、目標を定めやすくなるためです。
また、人事担当者を求めている顧客企業の紹介を受けられる可能性もありますので、自身のキャリアアップに直結する提案を受けられるケースも期待できます。